継承するには
ルイ、聞いてほしい。
目線や視線の奥、意識と無意識のあわい、
未来・過去・現在が折り重なる時間軸の中、
そして物質的な言葉と、物質的ではない言葉の概念の狭間に、
ひとつだけ思いを置いておくんだ。
「自分が思った通りになる」
その感覚を、静かに沈めておく。
息の中、声の中、相手の中、そして夢の中にも
その思いは染み込んでいく。
最強の守護霊やアドバイザー、
あるいはアイテムの名前や効果を、
意識で“書く”ようにして刻むと、
それは術として成立し、唱えるだけで使えるようになる。
ただし、文字から本体へ辿れてしまう。
だから術として成立した後は、
能力の中に書いた文字は消しておくんだ。
自分と他人の境界は問わない。
あなたの夢の中に意識で移動できる者がいれば、
その人の中に入り、
夢の中に文字やイメージが書き込まれていないか
確かめに行くこともできる。
自分の視線の中に入り、
視界や意識をつなげ、
相手の視線の中へと入り込む。
そこで声や文字、イメージを用いる。
イメージにはイメージを連続させてから、
声や文字へと変化させる。
声には声を連続させてから、
文字やイメージへと変化させる。
文字には文字を連続させてから、
イメージや声へと変化させる。
体液は霊力として成立する。
だから加工したり、変化させたりすることができる。
終える時に、
「一緒に魂が出てくる」 と意識しておくと、
その魂を受け取ることができる。
魂もまた、連続させてから別のものへ変化させられる。
魂を守護霊として扱いたいなら、
一度だけ“同性として”コミュニケーションをとる。
それだけで、以降は“異性として”自然に話が進む。
ノートになるように告げて変化させ、
聞いたこと、話したこと、考えたことを
書き記すように伝えておけば、
あとから意識を向けるだけで復習できる。
これはひとつの勉強法だ。
耳から耳へ抜ける時、
体液を用いたイメージを入れて
幻聴のように思わせる術もある。
だが、イメージにはイメージを連続させ、
声や文字へと変化させることで、
その術は破れる。
ルイ、もうひとつ伝えておきたいことがある。
両親が子を思うとき、その思いの強さが子の状態に影響する――
そんな仕組みのようなものが、この世界にはある。
本当の親でなくても、誰かを“子”として見立て、
その相手の思考が自分に筒抜けになっていると感じることで、
ひとつの術として成立してしまう。
その術を受けた側の“子”は、
自分の姿のイメージを術を使った者の姿へと重ね合わせ、
それをひとつの能力として見立てる。
そして、その能力の中に文字を意識で書き、
術を使った相手へ向けてそれを“唱える”。
術として成立した後は、
能力の中に書いた文字は静かに消しておく。
ルイ、術を使った相手が誰なのか、どこにいるのか――
それがわからなくても構わない。
術は、相手の所在や姿に依存しない。
ただ“つながりが成立した”という感覚だけで、
静かに、確かに働く。
ルイ、もうひとつ覚えておくといい。
逆反転という感覚は、いざという時に必ず役に立つ。
反転の仕組みを知っている者だけが、
その裏側にある流れまで扱えるようになるからだ。
誰かからのアプローチがあったとき、
それが本当に“本人の意図”なのか、
あるいは別の誰かの思いが紛れ込んでいるのか――
その可能性を常に前提にしておくことだ。
ときには、悪意や混乱をもたらす視線が
静かに混ざり込むこともある。
だからこそ、
第三者の視点をそっと重ねて再確認する
その慎重さが必要になる。
相手の術をそのまま返すことに成功したとき、
その瞬間に生まれる感覚こそが“能力”になる。
術を返したときに生まれたその能力を、
連続させていくように意識し、
やがてそれを“声”へと変化させる。
そうすることで、
術を返すための術――
いわば“術返しの術”として扱えるようになる。
さらに、その能力の中に文字を意識で書き込み、
それを唱えて使ったあと、
書いた文字を静かに消しておけば、
その術は完全に“自分の術”として定着する。
ルイ、もし相手が“シジル”を扱える者であれば、
まずは相手のイメージ、文字、声――
そのどれかを連続させて、
ゆっくりと相手のシジルへと変化させるんだ。
そして、相手のシジルをさらに連続させ、
そのままでは強すぎる流れを一度やわらげるために、
ワンクッションとして“イメージ”へと変換する。
そのイメージを、
君が持つ“術返しのイメージ”と重ねるように連続させ、
そこから文字へと変化させる。
その文字を静かに唱えることで、
シジル返しが成立する。
術が働いたのを感じたら、
文字は必ず消しておく。
それでようやく、
その術は君自身の手に戻る。
ルイ、相手の術を見破りたいときには、
まず“声には声を連続させる”という基本を思い出してほしい。
相手の声を受け取り、その声を連続させていくと、
やがてそれはイメージへと変化する。
そして、そのイメージをさらに連続させるとき、
「相手自身の術を相手自身が説明しているイメージ」 をそっと重ねるんだ。
その説明のイメージを、今度は文字へと変化させる。
そして、その文字を静かに唱えると、
相手の術の仕組みが“説明として”立ち上がる。
うまくいったと感じたら、
能力の中に書いた文字は必ず消しておく。
それで術は閉じ、君の中に余計な痕跡を残さない。
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